EYE KNOW

福岡在住B-BOYの音楽・映画・スポーツに関心を寄せて過ごす日々の観察記録

2017年2月よく聴いた音楽

 

3月も既に10日も経過してしまいましたが、先月よく聴いた音楽(主にアルバム作品)を紹介します。2月は洋楽にビッグボム級の作品がとにかく多くて、そういった作品は主要音楽メディアをチェックしている方ならば説明不要と思いますのでタイトルとMVのみの紹介とさせてもらいます。

 

この記事の前提についてはお手数ですが先月のエントリを参照してください↓↓

 

nino-brown.hatenablog.com

 

(※1 以下表記は全て アーティスト名 / タイトル名(ジャンル)

 

(※2 以下作品の購入リンクはフィジカルリリースのあるものはamazon、その他はitunes)

 

洋楽(8作品)

  • Sampha / Process (RnB)

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Process [ライナーノーツ / 歌詞対訳 / ボーナストラック収録 / 国内盤] (YTCD158J)

Process [ライナーノーツ / 歌詞対訳 / ボーナストラック収録 / 国内盤] (YTCD158J)

 

 2月ビックボム級作品その1。UKのSSW待望のデビューアルバム。説明は割愛。

 

 

  • Future / Future (Hip-Hop)

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FUTURE

FUTURE

  • フューチャー
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥1600

 今年のヒップホップシーンの主役。南部はアトランタのスターFutureの2週連続リリースの一作目であり"鋭"の一枚。2月ビッグボム級その2。詳細の説明は割愛。

 

  • Future / HNDRXX (Hip-Hop)

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HNDRXX

HNDRXX

  • フューチャー
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥1600

Futureの2週連続リリースの一作目であり"穏"の一枚。2月ビッグボム級その3。詳細の説明は割愛。

 

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Dirty Projectors

Dirty Projectors

 

 日本のフェスシーンでもおなじみ現代音楽について考えさせてくれるバンドDirty Projectors。2月ビッグボム級その4。詳細の説明は割愛。1月のMigosの作品と合わせてとても興味深い文章がありますのでリンク貼っておきます。

 

  • Thundercat / Drunk (RnB)

 

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Drunk [帯解説・ボーナストラック1曲収録 / 国内盤]  (BRC542)

Drunk [帯解説・ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (BRC542)

 

 好き者から絶大な支持を得ているレーベルBrainfeederからプロデューサー・ベーシスト・シンガーとマルチな才能を持つThundercatのジャンルクロスオーバーな一枚。2月最後のビックボム級。詳細の説明は割愛。

 

  • Stormzy / Gang Signs & Prayer (Grime)

 

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Gang Signs & Prayer

Gang Signs & Prayer

 

 これもビックボム級と言えるかもしれないけどメモ程度に。昨年のビッグボムSkeptaの"Konnichiwa"によって一気にオーバーグラウンドにも認知されたUKのGrimeシーンだが、昨年の勢いそのままにGrimeシーンから世界レベルで発信された話題作。Stormzyのデビューアルバムではあるが、本人はMOBOのBset Grime Awardなど賞をいくつもコレクトする正真正銘のプレイヤー。Grime独特の小刻みに刻むフローやダークな雰囲気を残しつつも、キャッチーな要素もサウンドに散見できとても開けた内容。Kehlaniをフィーチャーしているなどトレンドもしっかり押さえつつもタイトに仕上がっている。

 

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Roadhouse 01

Roadhouse 01

 

 個人的激推し盤。現時点で今年ダントツのベストです。Allan Raymanはインタビュー記事がなくとにかく情報の少ないアーティスト。ワイオミング生まれでトロント在住らしい。一聴すれば忘れられないだろう個性的な歌声と、時にノスタルジックに時に今風に展開されるサウンドの調和が実に映画的で、盤を通して聴くとサントラというより一本の映画を見た気分になる。ニック・ケイブの妖しさ・エロさを少し思い出したが、それよりもぐっと聴き手にアプローチしてくる印象。この人はきっとありとあらゆる音楽ジャンルに影響を受けているだろうと、容易に推察できる含蓄ある音の展開も脱帽です。それでいてライブではアコースティックでもバッチリ決めていて憎い。アラン・レイマンだけに焦点を当てた別エントリを書くか検討中。

 

  • Blaise Moore / Laurence (Altenative)

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Laurence

Laurence

 トロントの新人シンガーBlaise Mooreのデビューアルバム。MV楽曲の世界観の通り、作品全体通してちょっぴりドラッギーでダルく、セクシーで中毒性は十分。ベースが効いていて、雨降りの昼下がり室内から窓の外を眺めているようなどんよりとした気分になるがそれがたまらない。それにしても最近は出てくる才能のほとんどがトロントで活動していて驚く。もはや現代音楽の中心はUSではなく、世界一の音楽都市はトロントなのかもしれない。

 

 邦楽(2作品)

  • JJJ / HIKARI (Hip-Hop)

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HIKARI

HIKARI

 

 先月の良盤KID FRESINO"Slave"に続いてのリリースとなったFla$hBackSのラッパー/トラックメイカーであるJJJの今作は音づくりからいろんなベクトルを感じることができる。ドープ/ハーコー/キャッチー/メロー/スムースと一作に多様な表情を見せてくれる。KID FRESINOの先述作にも言えるがアンダーグラウンドシーンのホープとして注目されたプレイヤーがアンダーグラウンドに止まることなく、かといってセルアウトすることなく自身の才能や可能性を自由に解放しネクストレベルに進んでいく様はヘッズの一人として嬉しい限りだ。Campanellaといいアングラ発のアーティストのこういった傾向の先駆けはPUNPEEや鎮座、田我流あたりになるのか、いやあまりしっくりこない。とにかく彼らがヒップホップという音楽と自身のキャリアに対していかに真面目に向き合っているかがよく分かる。

 

  • YUKSTA-ILL / NEO TOKAI ON THE LINE (Hip-Hop)

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NEO TOKAI ON THE LINE

NEO TOKAI ON THE LINE

 

 本場USヒップホップシーンにおいて今最も勢いがあるエリアといえばMigosやFutureが引っ張るアトランタを中心としたサウスか、はたまたノーネームやチャンス・ザ・ラッパーが活躍するシカゴあたりになるのだろう。日本はどうだろうか、数年前まで福岡親不孝通りのシーンや仙台、北海道と全国のアングラシーンにまとまった活動が目立っていたが最近はラッパーが個人レベルで地元をレップすることはあってもエリアごと活動的に動いてる様子を感じることは少なくなった気がする。そんな中にあって名古屋のシーンは活発だ。昨今ブームのバトルシーンを牽引するプレーヤー・呂布カルマに、作品で新たな可能性にチャレンジするCanpanella、さらにはコアなヘッズを唸らすイズムの持ち主C.O.S.A.など、才能も粒ぞろいな上それぞれが横にしっかりと繋がっていて強いユニティーを感じる。YUKSTA-ILLもそんなフッドポッセの一員なのだが、彼の才能もかなり突き抜けている。聴き取りやすく時に懐かしく感じるフローの持ち主だが、デリバリーはフレッシュでビートアプローチも多彩。名古屋の才能の中でも最も器用なスキルの持ち主と言える。本作はそんな才能が遺憾なく発揮されていて聴き応え十分。詞にも登場するノリエガ感満載な"Let's Get Dirty feat. SOCKS"など聴き手を飽きさせない遊び心もあるのでリピート必須だ。

 

 

 

2月は洋楽ばかりを聴いていてあまり邦楽をチェックできていません。洋楽は一言でオルタナティブと言ってしまうにはあまりに失礼な程に音楽的含蓄がある考え抜かれたジャンルレスな出来の高尚な現代音楽が多かった気がします。