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EYE KNOW

福岡在住B-BOYの音楽・映画・スポーツに関心を寄せて過ごす日々の観察記録

今シーズンホークスが優勝を逃したワケ

日ハム優勝で2016シーズンが終了。

 2016年ペナントレース(パ・リーグ)では、交流戦後に一時はシーズン90勝ペースでぶっちぎりの優勝が予想された筆者(福岡在住)の贔屓チームであるソフトバンクホークスが夏にかけて15連勝するなど怒涛の追い上げを見せた日本ハムファイターズをついにかわしきれず、優勝できていてもおかしくない80勝越えを記録しながらもリーグ2位でシーズンを終える悔しい結果となった。来シーズンに向けてドラフト会議や秋季キャンプはすでに終了し、FA戦線を始めとする人材補強や中米WL(武者修行的意味合い強し)/台湾WL(若手の実戦経験的意味合い強し)、契約更改なども佳境、一応の決着を見せつつあるのが現状である。

 

本文はタイトルの通り、ホークスが優勝を逃したワケを検証し、更にはどのように変われば来シーズン優勝に返り咲くことができるのかを考察することが目的だが、鼻から身も蓋もないことを言ってしまうと、筆者の戯言であって全くもって正確ではないかもしれない。

 

以下本文の前提(飛ばして読んでも良し)。

 まず検証するにあたってチームの戦略を分析するとき、リーグ制を敷く野球では絶対的な分析ではなく相対的な分析が必要になる。

これは例えば、いかに贔屓のチームがヘッポコであっても同じリーグの他球団がそれ以上のポンコツであれば優勝は可能であるし、逆にどれほど戦力を充実させ選手個々人が健闘したとしても他の球団にその上を行く実力を見せられれば優勝はできないのである。特に今シーズンのホークスとファイターズはともに80勝以上しているということなので、比較検証が当然必要といえる。

 

が、それは無理である。

 

筆者は野球記者でなければ、元プロ野球選手でもない、一人の野球好きでしかない。よって筆者の言及するところが素人の域を出ることはない。比較するほどのデータもないし、野球経験を生かした分析(例えばA投手は昨シーズンより肘が上がりリリースポイントが手前になったので球ノビがなくなった。など)もできない。しかしながら、シーズン通して応援してきた思いは強いので、たとえ肌感覚の分析で素人の言及であっても、言いたいことは言いたいのである。

 

以下本題。

 散々言い訳したところで本題。優勝を逃したワケを二つの項目に分けて書く。

 

  • 先発投手の体力不足

今シーズンのホークスの先発投手陣は出足こそ一軍実戦経験の少ない捕手・斐紹を起用したこともあってか少しバタついたが序盤からシーズン折り返しのオールスターまでは皆とても良く投げていたように思う。

特に前半戦の白眉は、東浜。今シーズンついに芽が出たドラ1投手は、交流戦でそれまでピッチング絶好調であった読売巨人軍エースの菅野との投手戦を制し、雨の降る神宮では完璧に近いパフォーマンスを見せ、この時期「エースキラー」などと呼ばれていたことも記憶している。

更に、千賀の先発定着後無傷の連勝も心強かった、"おばけフォーク"はメディアに多く特集され千賀の代名詞になったし、ロッテ戦では相手選手にバットをくるくると回させ翻弄し安心して観戦できた印象が強い。

このように、今シーズン新たに先発ローテに加わった二人の戦力に加えバンデンハーク・武田・中田も昨シーズンと遜色ない出来、とどめに帰ってきたエース和田を加えることで盤石・鉄壁の先発投手陣が誕生したように思えた。

 

しかし、5/31の中日戦を機に体の違和感/不調を理由にバンデンハークが離脱し、岩嵜を先発起用しながらも夏を迎えた頃から先発投手陣が捕まり始めた。7月を境界線にして数字で示すとわかりやすい。

 

  武田(23) 登板27試合 勝利14/敗北8

       うち7月以降の敗北6

    千賀(23) 登板25試合 勝利12/敗北3

       うち7月以降の敗北3

  東浜(26) 登板23試合 勝利9/敗北6

       うち7月以降の敗北5

 

※()内は年齢、記録は2016シーズンのもの

 

3選手の数字を合計すると

  

  勝利35/敗北17 うち7月以降の敗北14

 

となる。3選手ともしっかりと貯金を作っているし、白星(勝利)は救援に失敗すれば消え黒星(敗北)は打線の奮闘があれば消えることを考えれば単純に飲み込める数字ではないのかもしれないが、3選手全ての黒星のうち実に82.3%が7月以降のものという事実は看過できない。

なぜこの3選手だけ取り出して言及するのかといえば、途中離脱したバンデンハークや先発としての登板試合数が10試合に満たない選手を除けば残るのは中田(34)と和田(35)だけなのだが、この2選手に関しては7月以降の失速がないのだ。

 

先ほどから嫌がらせのように選手名に続けて年齢を示しているのは注目していただきたいからである。中田と和田はベテランと断言できる年齢であるのに比べ、武田・千賀・東浜の3選手は将来のさらなる飛躍が十分に期待できる年齢だ。単純に考えると、若い方が体力がありそうにも思えるのだが、そう簡単なものでもないようだ。シーズン中の体のケア、事前準備としてタフな下半身をしっかり作っておくことがシーズン通して戦うには不可欠。3選手は怠っていたわけではないだろうが十分ではなかったということだろう。

 

来シーズンの首位奪還のため、ホークスの秋季キャンプでは体力強化をメインテーマに掲げ積極的に走り込みを行ったことから球団の問題意識もしっかりあるのだろう。オフ中の自主トレも含めて春までに若手投手陣にはしっかりと陸上部として走り込んでもらい、シーズンを戦い抜く体力をつけてもらいたい。

 

 

  • 定着しない正捕手/芽が出ない若手捕手

今シーズンホークスで主にスタメンマスクをかぶった選手は出場試合数の多い順に鶴岡(35)・細川(36)・高谷(35)なのだが、見て分かる通りどの選手もベテラン。ここに次点で食い込んでくる斐紹(24)や来季から登録名を甲斐に変更するという拓也(24)はうって変わって若手選手。つまり間の世代、中堅の捕手がホークスにはいない。シーズン開幕当初は先述した通り斐紹がマスクをかぶることもあったが、リード面で水準に至ってないという判断かすぐに起用されなくなってしまった。

優勝を逃したワケだけを捕手の面から考えると、”正捕手の不在”ということになるのだろうがこの問題は追求していくとどうしても”正捕手たり得る人材の不足”つまり若手捕手が台頭してきていないということにつながる。

 

シーズン序盤から中盤は打撃が好調の鶴岡を起用し、中盤打撃が落ちてきたところでリード面守備の面から細川を起用。それからは高谷が怪我から復帰するまで、細川を起用→投手が打ち込まれる→鶴岡を起用→鶴岡が打てない→細川を起用といったように、チームとして捕手に打撃力を求めているのか守備力を求めているのかはっきりしない起用が目立った。細川は正捕手として起用するには打撃力に乏しく、いかにリード巧者といえど打たれることはある。一方の鶴岡は正捕手として起用するにはリード面で不安を残し、肩も強くないため盗塁阻止率も低く、いかに打撃巧者といえど不振に陥ることがあった。

 

こうした状況の中、球団がこの捕手でいくと決断するのには”成長の見込みがある”ことが必要だったのかもしれない。西武の森やロッテの田村は起用し続けることで成長することを待とうと思わせる能力がある。

細川こそ他球団に移籍したものの来シーズンも主に鶴岡と高谷を起用することになるだろうが、30試合、欲を言えば50試合くらいは斐紹なり拓也なりがマスクを被らなければ、来年よりその先もホークスの女房役は定まらずチームの守備面も不安定となるだろう。

 

斐紹と拓也の更に下の世代についても言及しておくと、球団も次世代の捕手育成の重要性を軽視はしてしないのだろう、2014ドラフト2巡目の栗原、2015年ドラフト3巡目の谷川原に加え今年のドラフトでは3巡目で九鬼を指名するなど、球団も若手人材を充実させファームで誰がスタメンマスクをかぶるのかでさえ、競争は必至である。この中から一人でも台頭してくるのであれば未来は明るいが、捕手育成はとても難しいと聞く。今秋に工藤ホークスとしては初のヘッドコーチに就いた達川には、是非捕手育成の面でもその手腕を存分にふるっていただきたい。

 

最後に。

 大きく二つの項目で優勝を逃したワケについて言及したが、当然問題はこれだけではない。江川・福田・吉村・城所などの起用ではっきりしなかった”三人目の外野手”の問題や、先発投手陣と同様に後半戦捕まることの多くなった中継ぎ陣は森福も移籍し、岩嵜を今後どう起用していくかも含め不安が残る。来季に向けてはベテランとなった内川や松田のバックアップ、とりわけ三塁手である松田の後継者として相応しい人材の育成も待ったなしである。

 

と、ここまで問題点ばかり指摘してきたが希望を持てる点も少なからずある。投手陣では今年のドラ1即戦力投手田中や、今年こそ一軍登板はなかったが去年のドラ1高橋、一昨年ドラ1松本、更には貴重な左腕先発型の笠原など、野手陣ではU-23 WBCで大会MVPにも選ばれた”ミギータ”とも呼ばれている右の強打の外野手の真砂など、来シーズン一軍での活躍が期待できる戦力も直実に出てきているのは確かだ。

 

ファンも悔しい思いで迎えた今オフ。来シーズン優勝を奪還するために、選手には一層の成長を期待している。今から春が楽しみである。

 

 

 

※敬称は全て割愛していますが、本文中に登場する全ての人物に敬意を表します。

 

本文作成中に聴いた一枚

 

 

Pavo Pavo / Young Narrator In The Breakers (Pop)

 

 

YOUNG NARRATOR IN THE

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